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symbianスマートフォンの終焉 その4~提示していたデータ通信量の肥大化 [携帯電話]

■最高機「N95」の登場
 マルチメディア端末を「Nseries」、ビジネス端末を「Eseries」と差別化を図ることにより、ユーザーへの訴求力を上げることに成功したノキア。そして携帯電話として正統に進化した、最高の端末をリリースした。それが「N95」である。初代iPhoneが発売された2007年1月から2ヵ月後のことだった。
 デュアルスライド機構を搭載したこの端末。下にスライドするとテンキーが、上にスライドさせると再生、停止などミュージックプレイヤーで使用するキーが現れる。3.5mmイヤフォンジャックを備え、手持ちのヘッドフォンで音楽を聞くことができる。カメラはカールツァイスレンズ搭載500万画素、GPS搭載。そして当然ながらOSはS60 3rd edition。アプリケーションのインストールが可能だ。そしてもうひとつはモーションセンサーの採用だ。当初は写真や動画撮影時に利用できるだけであったが、これをアプリケーションでも利用できるようにした。万歩計のようなアプリケーションも誕生することになる。
 初代iPhoneとほぼ同時期に登場したこの「N95」は好調に販売数を伸ばした。この段階ではiPhoneよりもS60搭載機の方が“携帯電話”としての信頼度は当然高かった。それに加えての多機能である。液晶画面を0.2インチ大きくし内部メモリーを8Gに上げた「N95 8GB」も含め、世界中で1,000万台を販売したほどだった。
 この機種にはもうひとつ、注目に値するものがあった。それは長年携帯電話を作り続けていたノキアだからこそ生まれた発想であり、キャリアにとっても有意義のように思えた。しかしこれも、思わぬかたちで実現を阻まれてしまった。
 

■データ通信量の肥大
 今現在のスマートフォンはかつてのそれとは姿を変え始めている。PCで入力した予定や書類を、外出先でも確認したり、手直ししたりという、あくまでPCありきのものであった。それが今では一部でも言われているような“携帯電話にパソコンがついた”ようなものになっている。現にPCを持っていない層も、スマートフォンを使っている。
 そして今問題になっているのが、携帯電話におけるデータ通信量の増加である。現在のスマートフォンでは多機能ゆえに莫大なデータ量を要するアプリケーションが存在する。それは地図や動画、様々なものがある。これまでPCでしか閲覧できなかったものが、PCと遜色ない質で見られるということは、有線で受信するデータ量とも遜色がないということだ。
 無線におけるデータ通信には限りがある。現に販売数を伸ばしたiPhoneの場合、地域によっては通信量の規制を行っている。スマートフォンが普及すればするほど、データ通信量が増していく。そしてこの対策を採らなくてはいけないキャリアもまた、問題を抱えている。
 国内ではスマートフォンにもパケット通信量は定額制が採用されている。これまでの携帯電話=フィーチャーフォンと比べれば高額となっているが、その金額はすぐに設備投資にまわせるほどではないようだ。現に他国ではあまりに膨大となったデータ通信量に対応しきれず、パケット料金を定額制から従量制、使った分だけ支払う方式に変更した例もある。現状のインフラではデータ通信を規制するか、パケット定額制から従量制へと変更することくらいしかキャリアに選択肢はなくなってきている。 キャリアにとってスマートフォンが売れれば売れるほど、その決断をする時が早まっているのである。

■実現しなかった未来
 ノキアN95には「Nokia Maps」と呼ばれるアプリケーションがプリインストールされていた。名前の通り地図、ナビゲーションアプリである。しかしこの「Nokia Maps」は、PCがなくては使えないものだった。
 まずPCに「Nokia Map Loader」をインストールする。N95をPCに接続し「Nokia Map Loader」を立ち上げる。そして自分に必要な地域の地図を、PC経由で端末にダウンロードするという寸法だ。地図をダウンロードしておけば、端末で「Nokia Maps」を起動した場合、データ通信で地図をダウンロードする必要がないのだ。
 ノキア端末の場合、一度受信したデータは一時ファイルに保管され、再度受信する場合のデータ量を節約することができた。その代表的例がS60版「google map」だった。例えばwi-fi化で近隣やこれから向かう先をgoogle map上で閲覧しておく。そしていざその目的地へ向かう場合、「google map」を立ち上げ“オフラインモード”にしても、wi-fi化で受信した地図データは閲覧できたのだ。当然ユーザーはなるべくデータ通信料金を安くしたいと考える。それを携帯電話メーカーであるノキアが汲みし、考え出された方法が上記のような手順だったのだろう。そしてこれはキャリアからみても非常にいい策だったのではないだろうか。データ通信量を圧迫することなく、ユーザーは端末を便利に使えるようになるからだ。キャリアの後押しもあり、N95は1,000万台もの台数を販売できたのだろう。
 現在のスマートフォン市場はiPhoneとandroid陣営という、非携帯電話メーカーが作ったOSが凌ぎを削っている。上記のようなデータ通信量を少なくするという動きは見られない。そして今、キャリアは頭を抱えてしまっているのだ。ノキアが描いた未来は、異業種からの参入者により描かれることはなくなってしまった。そしてすでにデータ通信量の限界は、すぐそこまで来てしまっている。


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